孤立特異点
孤立特異点
関数fがz=aを孤立特異点に持つとは、ある正の数Rについて0<∣z−a∣<Rでfが正則であることをいう。
fがz=aでも正則である場合も、上の定義を満たすならば孤立特異点に含まれることに注意する。
ただし、このような点は後に述べる除去可能特異点であり、本質的には特異点ではない。
孤立特異点の例
孤立特異点の例
f(z)=z1のz=0は孤立特異点である。
fはz=0で正則であるから、0<∣z∣<R(任意のR>0)で正則である。
sinz1の孤立特異点
f(z)=sinz1が正則でない点はz=nπ(n∈Z)であり、これらはいずれも孤立特異点である。
sinzの零点はz=nπであり、これらは互いに孤立しているから、各z=nπの周りでz=nπを除いてfは正則である。
logzの
z=0は孤立特異点でない
f(z)=logzはz=0の周りで一価正則な関数として定義できないため、z=0は孤立特異点ではない。
logzは原点を避けて原点の周りを回る閉曲線に沿って値を追跡すると、一周するごとに2πiだけずれる。
つまり0<∣z∣<Rのどこでも一価正則にはならず、孤立特異点の定義を満たさない。
演習
孤立しない特異点
z=0について、次の2つを比較せよ。
- f(z)=sinz1
- g(z)=sin(1/z)1
解答
1. sinz1はz=0のすべての点で正則である。
したがって任意のR>0について0<∣z∣<Rで正則であり、z=0は孤立特異点である。
(この特異点は後の孤立特異点の分類で真性特異点と分類することになる。孤立しているかどうかの判定には、その分類は要らない。)
2. sinz1=0となるのはz1=nπすなわちz=nπ1(nは0でない整数)のときである。
これらの点でgは極を持つ。
n→∞のときnπ1→0であるから、どんなに小さいR>0をとっても0<∣z∣<Rの中にgの極が無数に含まれてしまう。
つまりgが0<∣z∣<Rで正則になるようなRは存在しない。
よってz=0はgの孤立特異点ではない。
特異点が孤立しているかどうかは、その点を除いた小さな円環で正則になれるかで決まる。
他の特異点が集積してくると孤立しなくなり、ローラン展開も留数定理も使えない。