線積分

ここでは複素関数の線積分について解説する。 複素平面の部分集合U⊂CU\subset \C上定義された複素関数f:U→Cf:U\to \CとUU内の滑らかな曲線CCに対し、 線積分

∫Cf(z)dz\int_Cf(z)dz

を定義することができる。

まず曲線のパラメータづけによる引き戻しとして線積分を定義し、リーマン和による定義とも一致することを述べる。 次にパラメータづけの取り替え、曲線の向きと分割、絶対値の評価、一様収束する列の項別積分といった基本的な性質をまとめる。 最後に折れ線と円周に沿った具体的な計算例を見る。

計算例では二つのことに注目してほしい。 積分路とその内部で正則な関数では閉曲線に沿った積分が00になること、そして円周上の(z−a)n(z-a)^nの積分がn=−1n=-1のときだけ00にならないことである。 前者は次のセクションのコーシーの積分定理へ、後者は留数の理論へとつながっていく。

なお「正則ならば閉曲線積分は00」「積分が00ならば正則」はどちらも一般には成り立たない。 内部まで正則であることと、一つの積分路だけでは判定できないことに注意しよう。

目次

  1. 線積分の定義
  2. 線積分の基本的な性質
  3. 線積分の計算例