ローラン級数

正則関数は冪級数に展開できるのであった。 では、ある点で正則でない関数はその点の周りでどう表せるだろうか。

答えがローラン級数展開である。 冪級数に負の冪の項を許した

∑n=−∞∞an(z−a)n\sum_{n=-\infty}^{\infty}a_n(z-a)^n

という形の級数を考えると、孤立特異点の周りでもこの形に展開できる。

このセクションではまず孤立特異点を定義し、その周りでローラン級数展開が可能であることをコーシーの積分公式から導く。 次に負の冪の部分(主要部)の様子によって孤立特異点を除去可能特異点・極・真性特異点の三つに分類し、極だけを特異点として持つ有理型関数を扱う。

主要部のうち(z−a)−1(z-a)^{-1}の係数は留数と呼ばれ、次のセクションの留数定理で中心的な役割を果たす。

章の最後では、これらの概念が実際に働く例としてガンマ関数を扱う。 右半平面の積分でしか定義できなかったΓ\Gammaが複素平面全体の有理型関数に延長され、 s=0,−1,−2,…s=0,-1,-2,\ldotsに11位の極を持つことを見る。

目次

  1. 孤立特異点
  2. ローラン級数展開
  3. 孤立特異点の分類
  4. 有理型関数
  5. ガンマ関数